路上で上半身を起こしながら、達也は自分の身体を確認した。倒れる練習の成果なのか、骨折などしている様子はない。そして、結構路上を転がったのに、身体には擦り傷ひとつなかった。ライダースーツのお陰か…。このスーツは、この日の為に翔子に付き合ってもらい買ったものだ。達也は高価ではあるが、デザインが施された動きやすい薄手のモノを選んでレジに持って行こうとしたら、こんなスーツはバイクを枕元に飾っておく人が着るものだとラックに戻されてしまった。そして戻ってきた翔子が手にしていたものは、宇宙飛行士のようなシルバーと黒の地味で厚手の安価なモノだった。有無を言わさず買わされたものの、路上に転がってみて解る。確かに翔子の言っている事は正しかったようだ。
赤いヘルメットを小脇にかかえ、翔子がやってきた。達也を心配している様子はまったくなかった。
「ほら、さっさと立って…。行くわよ。」
「くそっ、どうして師匠のラインで曲がれないんですか?」
達也は地面を叩いた。
「倒しが甘い?アクセルの開け方が悪い?突入スピードが間違っている?師匠いったい何が悪いんです。教えてくださいよ。」
悔しがる達也を翔子は黙って見ていたが、小さくため息をつくと達也に手を差し伸べる。
「結構走ったし…見晴らしもいいからここで昼食にしましょう。」
「えっ?でもコンビニ行かないと食べるものが…。」
「いいから、バイク起こしてあの見晴らし台のベンチへ来て。」
そう言い残してさっさと行ってしまう翔子。仕方なく達也は、KLEに戻り、バイクを起こすとエンジンチェックをした。カウルにはひびが入って、フットブレーキのレバーが少し湾曲したが、エンジンは問題ない。この先走るのに支障はないようだ。自分のメットをハンドルバーに引っ掛けて、達也は翔子の待つ見晴らし台のベンチへ向かった。
ベンチでは翔子が自分のライダースーツの上半身をはだけ、Tシャツ姿で涼を取っていた。スーツの気密性で体温がこもり、Tシャツはかなり汗を吸っている。しかし、不潔感はなかった。引き締まった翔子の身体は、病院にやってくる患者さんを見なれた達也には、眩しいほどの健康美だった。ただ、Tシャツの上から翔子の着けている下着のラインがはっきりと見えるのが困りもんで、達也はどこに視線を置いたらいいのか、かなり戸惑った。
赤いヘルメットを小脇にかかえ、翔子がやってきた。達也を心配している様子はまったくなかった。
「ほら、さっさと立って…。行くわよ。」
「くそっ、どうして師匠のラインで曲がれないんですか?」
達也は地面を叩いた。
「倒しが甘い?アクセルの開け方が悪い?突入スピードが間違っている?師匠いったい何が悪いんです。教えてくださいよ。」
悔しがる達也を翔子は黙って見ていたが、小さくため息をつくと達也に手を差し伸べる。
「結構走ったし…見晴らしもいいからここで昼食にしましょう。」
「えっ?でもコンビニ行かないと食べるものが…。」
「いいから、バイク起こしてあの見晴らし台のベンチへ来て。」
そう言い残してさっさと行ってしまう翔子。仕方なく達也は、KLEに戻り、バイクを起こすとエンジンチェックをした。カウルにはひびが入って、フットブレーキのレバーが少し湾曲したが、エンジンは問題ない。この先走るのに支障はないようだ。自分のメットをハンドルバーに引っ掛けて、達也は翔子の待つ見晴らし台のベンチへ向かった。
ベンチでは翔子が自分のライダースーツの上半身をはだけ、Tシャツ姿で涼を取っていた。スーツの気密性で体温がこもり、Tシャツはかなり汗を吸っている。しかし、不潔感はなかった。引き締まった翔子の身体は、病院にやってくる患者さんを見なれた達也には、眩しいほどの健康美だった。ただ、Tシャツの上から翔子の着けている下着のラインがはっきりと見えるのが困りもんで、達也はどこに視線を置いたらいいのか、かなり戸惑った。



