お互いが会う時の目的と関係性をはっきりとさせる。それが、翔子のモヤモヤを晴れさせる方策でもあった。
「今どきそんな…。まあいいか、何でもいいですから、早く始めましょうよ、師匠。」
「それじゃ、メットを付けなくていいから、バイクに乗って。」
達也が嬉々として翔子のKLEにまたがる。
「スタンド上げて」
達也が左足の裏で、サイドスタンドを蹴り上げる。
「はい、そのまま左にゆっくり倒して。」
達也はバイクを傾けた。
「もっとよ、もっと傾けて。」
「師匠、これ以上傾けたら、バイクの重さに堪えられません。」
「いいから、言う通りにしなさい。」
達也は踏ん張る足を震えさせながらしばしの間堪えたが、ついにバイクは倒れた。力を使い果たした達也は、膝に両手をついて荒い息をする。翔子はそんな彼にはっぱをかけた。
「ほら、バイク立ちあげてもう一度。」
達也は、額に青筋を立ててようやくバイクを立ちあげた。肩で息をする達也に、翔子は矢継ぎ早に指示を出す。
「今度はそのまま、両足をステップの上に載せなさい。私が言うまで足を地面につけちゃだめよ。」
「ええ?倒れますよ。」
「何度も言わせないで。」
達也が両足をステップに載せると、当然のごとくバイクはふらつく。ふらついたすえに、右に大きく傾いたところでようやく翔子から足を外していいとの指示。達也は、両足を地面に踏ん張って何とかこらえたが、そのかいもなくバイクはコンクリートの上に横たわった。ついに、達也も力尽きてへたり込む。もうバイクを立ちあげる気力もなかった。
「はぁ、はぁ、なんで…なんで、走る練習しないんですか。」
「達也は走る以前に、バイクのことがわかっていないのよ。」
「どういうことですか?」
「バイクに乗っている時、倒れたくない、倒れると恥ずかしいと思ってるでしょう。」
バイクに乗る限り、当然ではないのか。達也は翔子の言っている意味が解らなかった。
「バイクは2輪だから、もともと倒れるものなの。走って立っている事の方が不思議な乗りものなのよ。」
翔子が倒れているバイクをひょいと立ちあげた。
「今どきそんな…。まあいいか、何でもいいですから、早く始めましょうよ、師匠。」
「それじゃ、メットを付けなくていいから、バイクに乗って。」
達也が嬉々として翔子のKLEにまたがる。
「スタンド上げて」
達也が左足の裏で、サイドスタンドを蹴り上げる。
「はい、そのまま左にゆっくり倒して。」
達也はバイクを傾けた。
「もっとよ、もっと傾けて。」
「師匠、これ以上傾けたら、バイクの重さに堪えられません。」
「いいから、言う通りにしなさい。」
達也は踏ん張る足を震えさせながらしばしの間堪えたが、ついにバイクは倒れた。力を使い果たした達也は、膝に両手をついて荒い息をする。翔子はそんな彼にはっぱをかけた。
「ほら、バイク立ちあげてもう一度。」
達也は、額に青筋を立ててようやくバイクを立ちあげた。肩で息をする達也に、翔子は矢継ぎ早に指示を出す。
「今度はそのまま、両足をステップの上に載せなさい。私が言うまで足を地面につけちゃだめよ。」
「ええ?倒れますよ。」
「何度も言わせないで。」
達也が両足をステップに載せると、当然のごとくバイクはふらつく。ふらついたすえに、右に大きく傾いたところでようやく翔子から足を外していいとの指示。達也は、両足を地面に踏ん張って何とかこらえたが、そのかいもなくバイクはコンクリートの上に横たわった。ついに、達也も力尽きてへたり込む。もうバイクを立ちあげる気力もなかった。
「はぁ、はぁ、なんで…なんで、走る練習しないんですか。」
「達也は走る以前に、バイクのことがわかっていないのよ。」
「どういうことですか?」
「バイクに乗っている時、倒れたくない、倒れると恥ずかしいと思ってるでしょう。」
バイクに乗る限り、当然ではないのか。達也は翔子の言っている意味が解らなかった。
「バイクは2輪だから、もともと倒れるものなの。走って立っている事の方が不思議な乗りものなのよ。」
翔子が倒れているバイクをひょいと立ちあげた。



