「兄ちゃんは暴走族のリーダーだったのよ。で、目の前で怒って立っているのがその副団長。その後ろが族の構成員。」
達也は思わず後ずさりする。
「団長がいつも言っていたろう。翔子の彼氏になる男は、このマークが付けられる男じゃなきゃだめだって…。」
哲平が上半身をひねり、ジャンパーの背にあるマークを翔子に示した。次郎もあわてて哲平に追従する。ふたりのジャンパーの背には『交差する雷に梅』のワッペンがあった。なんだ嘘がばれたわけじゃない。翔子はピンの外れたことを言いだした哲平にすこし安心はしたものの、この嘘をどう収拾したらいいかしばらく考えあぐねた。一方達也は、そのマークを見て鮮明に想い出した。
「あ、あの時の白バイ隊員。」
「な、なんだよ…。」
自分の所属を言いあてられて戸惑う哲平。
「お前、誰だ。」
「このまえ、湾岸道路で自分のシルバーのXJRを止めたでしょう。」
「えっ…あ、お前はペケジェー。」
「あら、ふたりとも知り合いなの。」
「とんでもねぇ。ペケジェーならなおのこと、翔子と付き合うなんて言語道断だ。」
哲平はむきになってそう吐き捨てた。
「勘弁してよ、兄ちゃんが何言ったとしても、私には関係ないわ。」
「ちょっと待ってください。そのマークに何か特別な意味があるんですか…。」
達也の問いに、今まで哲平の陰に隠れていた次郎が、遅ればせながら会話に参加してきた。「交差するふたつの雷に梅…。雷、雷、梅。ライ・ライ・バイ。俺たち『暴走集団ララバイ』の神聖なマークだ。」
その答えを聞いて、達也は思わず小さく吹き出した。哲平はそれを見逃さなかった。
「ペケジェー、貴様、笑ったな。」
「副長さんだって自分の免許見て笑ったじゃないですか。」
「なんだとぉーっ!」
「ちょっと、やめてよ。どうしたの、ふたりともむきになって…。」
翔子は達也と哲平の間に割って入った。
「だいたい、なぜ自分は翔子さんと付き合ってはいけないんですか。」
さらに詰め寄る達也に、哲平は薄笑いを浮かべながら答える。
「お前にはこのマークのジャンパーを着る資格が無いからだ。」
「資格ってなんですか。」
「団長が作ったララバイコースを、4分以内で走りぬけられる男こそ、このジャンパーを身につけられる。」
次郎の答えにあわせて、哲平は指を立てて、久しぶりの『夜露死苦』ポーズを取った。
達也は思わず後ずさりする。
「団長がいつも言っていたろう。翔子の彼氏になる男は、このマークが付けられる男じゃなきゃだめだって…。」
哲平が上半身をひねり、ジャンパーの背にあるマークを翔子に示した。次郎もあわてて哲平に追従する。ふたりのジャンパーの背には『交差する雷に梅』のワッペンがあった。なんだ嘘がばれたわけじゃない。翔子はピンの外れたことを言いだした哲平にすこし安心はしたものの、この嘘をどう収拾したらいいかしばらく考えあぐねた。一方達也は、そのマークを見て鮮明に想い出した。
「あ、あの時の白バイ隊員。」
「な、なんだよ…。」
自分の所属を言いあてられて戸惑う哲平。
「お前、誰だ。」
「このまえ、湾岸道路で自分のシルバーのXJRを止めたでしょう。」
「えっ…あ、お前はペケジェー。」
「あら、ふたりとも知り合いなの。」
「とんでもねぇ。ペケジェーならなおのこと、翔子と付き合うなんて言語道断だ。」
哲平はむきになってそう吐き捨てた。
「勘弁してよ、兄ちゃんが何言ったとしても、私には関係ないわ。」
「ちょっと待ってください。そのマークに何か特別な意味があるんですか…。」
達也の問いに、今まで哲平の陰に隠れていた次郎が、遅ればせながら会話に参加してきた。「交差するふたつの雷に梅…。雷、雷、梅。ライ・ライ・バイ。俺たち『暴走集団ララバイ』の神聖なマークだ。」
その答えを聞いて、達也は思わず小さく吹き出した。哲平はそれを見逃さなかった。
「ペケジェー、貴様、笑ったな。」
「副長さんだって自分の免許見て笑ったじゃないですか。」
「なんだとぉーっ!」
「ちょっと、やめてよ。どうしたの、ふたりともむきになって…。」
翔子は達也と哲平の間に割って入った。
「だいたい、なぜ自分は翔子さんと付き合ってはいけないんですか。」
さらに詰め寄る達也に、哲平は薄笑いを浮かべながら答える。
「お前にはこのマークのジャンパーを着る資格が無いからだ。」
「資格ってなんですか。」
「団長が作ったララバイコースを、4分以内で走りぬけられる男こそ、このジャンパーを身につけられる。」
次郎の答えにあわせて、哲平は指を立てて、久しぶりの『夜露死苦』ポーズを取った。



