「やっと本当の男になったみたいで、その時は嬉しかった。これで自分も他の仲間と一緒になれた。有頂天になって、その女の子をほったらかしにして大学に行った。でもそれは間違いだったことがすぐわかった。女としての魅力や成熟度が増している女子大生に囲まれているのに、相変わらず性的にも精神的にも興味が持てない。なぜ、あの女子高生には男になれるのに、他の女の人はだめなんだ。不思議で、理由を確かめたくて、慌ててその娘を探した。でもその娘の名前と消息が忽然と消えてしまっていた。探して、探して、それでも探し出すことが出来なかった。」
「それが、寝言で言っていた菊江って娘なの?」
「覚えていたのか…そうなんだ。」
「泰佑さ、その娘に会って自分の事確かめる前にやることがあるんじゃないの!」
自然と希久美の語気が荒くなる。
「そうだな、自分の事ばかり考えてしまって…。彼女も初めての日に取り残されて、そうとう傷ついたに違いない。許されることじゃないが、まず謝罪しなくちゃな。でもつい最近に偶然彼女のクラスメイトに会って、彼女が交通事故で亡くなったことを知った。これで、永遠に謎のまま、そして謝罪も出来ないまま生きるしかないわけだ…。」
えっ、あたしがいつ死んだのよ。誰よ、そんなデマ流したやつは…。
「その娘を性的関心だけでなく、精神的に関心があった、つまり好きだったのかどうかは、今考えてもよくわからない。その頃の自分があまりにも幼かったから…。」
このやろう!あたしは本気だったのよ。
「でも今ははっきりと言えるんだ。オキクと出会って、初めて女性に心が動いた。自分は青沼希久美が好きだ。」
泰佑の意外な言葉に希久美がフリーズしてしまった。黙りこくるふたり。後ろから抱きしめる泰佑、抱きしめられる希久美、お互いの息遣いが聞こえてくるようだ。やっと、希久美が口を開いた。
「いつから?」
「たぶん、会社で初めて挨拶した時からだと思う。一目見た瞬間、初めて会ったとは思えない気がした。身体中に電気が走った。」
そんな様子は見せなかったのに…。希久美は音をたてないように唾を飲み込んだ。
「それが、寝言で言っていた菊江って娘なの?」
「覚えていたのか…そうなんだ。」
「泰佑さ、その娘に会って自分の事確かめる前にやることがあるんじゃないの!」
自然と希久美の語気が荒くなる。
「そうだな、自分の事ばかり考えてしまって…。彼女も初めての日に取り残されて、そうとう傷ついたに違いない。許されることじゃないが、まず謝罪しなくちゃな。でもつい最近に偶然彼女のクラスメイトに会って、彼女が交通事故で亡くなったことを知った。これで、永遠に謎のまま、そして謝罪も出来ないまま生きるしかないわけだ…。」
えっ、あたしがいつ死んだのよ。誰よ、そんなデマ流したやつは…。
「その娘を性的関心だけでなく、精神的に関心があった、つまり好きだったのかどうかは、今考えてもよくわからない。その頃の自分があまりにも幼かったから…。」
このやろう!あたしは本気だったのよ。
「でも今ははっきりと言えるんだ。オキクと出会って、初めて女性に心が動いた。自分は青沼希久美が好きだ。」
泰佑の意外な言葉に希久美がフリーズしてしまった。黙りこくるふたり。後ろから抱きしめる泰佑、抱きしめられる希久美、お互いの息遣いが聞こえてくるようだ。やっと、希久美が口を開いた。
「いつから?」
「たぶん、会社で初めて挨拶した時からだと思う。一目見た瞬間、初めて会ったとは思えない気がした。身体中に電気が走った。」
そんな様子は見せなかったのに…。希久美は音をたてないように唾を飲み込んだ。



