インカムをテレサに投げ渡して、ナミは看護師とともに救急処置室へ走って行った。
「石津先輩、神様から貰った時間も残り少なくなったわ。そろそろ帰ります。」
希久美は、ベッドで半身を起こし泰佑に言った。長い時間話していたから、薬が切れかかっているかと心配したが、泰佑はまだ身体が動かせないようだ。
「そうか…。今日は来てくれてありがとう。」
「最後にお願いなんですけど…。」
「なに?」
「私が天国に帰っても、あのホテルに誘った性悪女は、だめですよ。」
「だから、親友の見合い相手には近づかないって。」
「安心しました。」
「自分も菊江に最後のお願いしていいかな?」
「だめです。いくら謝っても許しません。」
「そうじゃないよ。」
「なら、なんです?」
「その…。一緒に連れて行ってくれないかな…。」
希久美の胸がキュンと鳴った。ここで、なんでそんなセリフがはけるの。狂おしいほどこの男が愛おしく感じられた。
「そんなこと今言うんだったら、あの時私ひとり残して、出て行かないでくださいよ…。」
「ごめん。」
「だめに決まってるでしょ。」
「そうか…。無理言ってごめん。」
インカムを通してふたりのやり取りを聞いていて、テレサの霊感が働いた。マイクに向かって指示を出す。
『ナミからのお達しよ。男性機能が回復しているか、キスして確かめてから去りなさいって。』
「えーっ?」
「どうした?」
ひとりで何かに驚いている希久美を見て、泰佑が不思議そうに尋ねた。
「いいですか先輩。これから私が先輩に何をしても、動かないでください。私に触ったら殴りますよ。」
「どっかで聞いたことがあるセリフだな…。」
希久美は、起こした半身を泰佑に近づけて、泰佑の頬を優しく支えながらキスをした。ホテルでキスをした時と違って、泰佑の唇は荒れていてざらざらしていた。けれど、泰佑の心の奥底を知ってしまった今では状況が違っている。頭のてっぺんで鳴る鐘はあの時以上、いや想像を絶するほどのボリューで希久美の全身に響いた。希久美が嫌がる自分の身体をなだめてようやく唇を離すと、息が上がっていてなかなか話し出すことができない。
「ハァ、ハァ、どうです…からだに変化ありましたか?ハァ…。」
目をつぶって希久美のキスを受け入れていた泰佑が薄眼を開けた。口もとに悪戯な笑みを浮かべていた。
「石津先輩、神様から貰った時間も残り少なくなったわ。そろそろ帰ります。」
希久美は、ベッドで半身を起こし泰佑に言った。長い時間話していたから、薬が切れかかっているかと心配したが、泰佑はまだ身体が動かせないようだ。
「そうか…。今日は来てくれてありがとう。」
「最後にお願いなんですけど…。」
「なに?」
「私が天国に帰っても、あのホテルに誘った性悪女は、だめですよ。」
「だから、親友の見合い相手には近づかないって。」
「安心しました。」
「自分も菊江に最後のお願いしていいかな?」
「だめです。いくら謝っても許しません。」
「そうじゃないよ。」
「なら、なんです?」
「その…。一緒に連れて行ってくれないかな…。」
希久美の胸がキュンと鳴った。ここで、なんでそんなセリフがはけるの。狂おしいほどこの男が愛おしく感じられた。
「そんなこと今言うんだったら、あの時私ひとり残して、出て行かないでくださいよ…。」
「ごめん。」
「だめに決まってるでしょ。」
「そうか…。無理言ってごめん。」
インカムを通してふたりのやり取りを聞いていて、テレサの霊感が働いた。マイクに向かって指示を出す。
『ナミからのお達しよ。男性機能が回復しているか、キスして確かめてから去りなさいって。』
「えーっ?」
「どうした?」
ひとりで何かに驚いている希久美を見て、泰佑が不思議そうに尋ねた。
「いいですか先輩。これから私が先輩に何をしても、動かないでください。私に触ったら殴りますよ。」
「どっかで聞いたことがあるセリフだな…。」
希久美は、起こした半身を泰佑に近づけて、泰佑の頬を優しく支えながらキスをした。ホテルでキスをした時と違って、泰佑の唇は荒れていてざらざらしていた。けれど、泰佑の心の奥底を知ってしまった今では状況が違っている。頭のてっぺんで鳴る鐘はあの時以上、いや想像を絶するほどのボリューで希久美の全身に響いた。希久美が嫌がる自分の身体をなだめてようやく唇を離すと、息が上がっていてなかなか話し出すことができない。
「ハァ、ハァ、どうです…からだに変化ありましたか?ハァ…。」
目をつぶって希久美のキスを受け入れていた泰佑が薄眼を開けた。口もとに悪戯な笑みを浮かべていた。



