ふたりの席にそばが運ばれてきた。そばを見て希久美は、翁庵で不公平なシェアに抗議していた泰佑を思い出していた。しばらく、黙ってそばを食べていたふたりだが、希久美が箸を止めてミチエに問いかけた。
「あの…。プライベートな話なんですが、聞いてもいいですか?」
「どうぞ。青沼さんなら、なんでもお答えしますよ。」
「あの…。泰佑はお母さんとどんなだったんですか?」
ミチエは、箸を止めてしばらく希久美の顔を見つめていた。答えをためらっているというよりは、どう説明していいか考えをまとめているような感じだった。
「泰佑の母親は、つまり私の娘ですけど、とても自己中心的な子でね。なにかあると全部人のせいにするし、ひとに謝ったこともほとんどない。考え方が常に、自分が世間に対して何ができるかより、世間が自分に何をしてくれるのかだったのです。私の育て方が間違っていたんでしょうね…。だから、自分の子供に関してもそうでした。泰佑にとっての自分を考えることができず、常に自分にとって泰佑がどうであるかしか考えられなかったのね。」
ミチエは、もう食欲をなくしてしまったようだ。箸を置いて話すことに集中していた。
「泰佑を産んだ時、自分の天中殺の期に生まれた子だと言って、はなから自分とあわないと決めつけていたようでした。意図的に遠ざけていたようだし、会えば文句ばっかり言っていました。父親と同居している時はまだよかったんだけど、離婚してからは私が預かることにしたのです。でも、娘の為に言っておきますが、決して泰佑を愛してなかったわけじゃないのよ。愛し方が適切じゃなかったの。」
「今はどうなんですか?」
「中学時代、高校時代の時は、大事な野球の試合は見に行っていたみたいだけど、今ではもうほとんど会うこともないし、たとえ会ったとしも泰佑はひとこともしゃべりません。」
「そうなんですか…。」
「あの…。母親のことが今の泰佑に何か関係があるんですか?」
「いえ、別にそう言うわけじゃないんですけど…。」
ふたりは食事を終えて店を出た。
「図々しいお願いですが、もし機会があったら、泰佑と話してやってもらえますか?」
「はい…。おばあちゃんも御心配でしょうから、近いうちに私も連絡を取ってみます。」
「そうですか、ありがとうございます。今日は突然おじゃましてすみませんでした。」
「あの…。プライベートな話なんですが、聞いてもいいですか?」
「どうぞ。青沼さんなら、なんでもお答えしますよ。」
「あの…。泰佑はお母さんとどんなだったんですか?」
ミチエは、箸を止めてしばらく希久美の顔を見つめていた。答えをためらっているというよりは、どう説明していいか考えをまとめているような感じだった。
「泰佑の母親は、つまり私の娘ですけど、とても自己中心的な子でね。なにかあると全部人のせいにするし、ひとに謝ったこともほとんどない。考え方が常に、自分が世間に対して何ができるかより、世間が自分に何をしてくれるのかだったのです。私の育て方が間違っていたんでしょうね…。だから、自分の子供に関してもそうでした。泰佑にとっての自分を考えることができず、常に自分にとって泰佑がどうであるかしか考えられなかったのね。」
ミチエは、もう食欲をなくしてしまったようだ。箸を置いて話すことに集中していた。
「泰佑を産んだ時、自分の天中殺の期に生まれた子だと言って、はなから自分とあわないと決めつけていたようでした。意図的に遠ざけていたようだし、会えば文句ばっかり言っていました。父親と同居している時はまだよかったんだけど、離婚してからは私が預かることにしたのです。でも、娘の為に言っておきますが、決して泰佑を愛してなかったわけじゃないのよ。愛し方が適切じゃなかったの。」
「今はどうなんですか?」
「中学時代、高校時代の時は、大事な野球の試合は見に行っていたみたいだけど、今ではもうほとんど会うこともないし、たとえ会ったとしも泰佑はひとこともしゃべりません。」
「そうなんですか…。」
「あの…。母親のことが今の泰佑に何か関係があるんですか?」
「いえ、別にそう言うわけじゃないんですけど…。」
ふたりは食事を終えて店を出た。
「図々しいお願いですが、もし機会があったら、泰佑と話してやってもらえますか?」
「はい…。おばあちゃんも御心配でしょうから、近いうちに私も連絡を取ってみます。」
「そうですか、ありがとうございます。今日は突然おじゃましてすみませんでした。」



