「気付いたら寝とったわ…」

『あんた、今日何時の新幹線なの?』


お母さんのその言葉に、私はハっとする。


「え…今、何時?!」


携帯を耳から離し、時間を確認する。

ちょうと、17時になる位だった。

20時の新幹線だからとだけ伝え、私は電話を切る。


「やばー、めっちゃ寝とった」

「今日帰るの?」

「うん、20時の新幹線だから、もう準備しないかん」

「はよ用意しな」

「うん」

「駅まで送ってったるね」

「本当?あ、じゃあさ、駅着いたら一緒にご飯食べよ?ご馳走するよ」

「おばあさんにご馳走してくれるの?」

「うん、そばでも食べよ」

「嬉しいわぁ、ありがとな」


にこにこ、にこにこ。

本当に、いつもいつでもどんな時でも。

優しく、笑っている人だったね。