その一つ一つが、今となっては愛しくて。

片付けをしている中で、見つけたおばあちゃんの手帳。


「何年も前の手帳なんだから捨てろって何度も言ったのに、結局捨ててないね」


そう言って笑いながら、お母さんはペラペラと手帳をめくる。

カレンダーからメモ帳へ切り替わった所で、お母さんが手を止めた。


「どうしたの?何か書いてあった?」


私の言葉に、お母さんは涙を零しながら手帳を手渡す。


「これ…っ」


そこには、こう書かれていた。




こはるは 8じ、えいみは 6じに おこす




つたない文字で、そう書かれていた。


"おばあさん、字へたくそだから"と言って、私達の前では字なんて書いた事がなかったし、もう書けなかったはずなのに。


確かに書かれていた文字は、私達の事だった。