夕方になるとお兄ちゃんが来てくれて、私はその姿にひどくホっとした。

まだ死を受け入れられないまま、私達はおばあちゃんのいない家に帰ったんだ。


今日の朝ここで"おはよう"を言って、"いってらっしゃい"って見送ってもらったのに。


おばあちゃんはもういないだなんて、全然信じられなかった。


"ただいま"ってひょっこり帰ってくるんじゃないかって、心のどこかで期待する自分がいたり。


だけど、何時になっても帰ってこないのが現実で。

泣いても泣いても、もうおばあちゃんは還ってこない事を思い知るばかりだ。


「部屋片付けて、棺桶に入れるもの考えないとね」


お母さんが、そう小さく呟いた。


おばあちゃんが、いつも寝ていた和室。

もっと言えば、今日の朝まで寝ていた場所。


綺麗に畳んである布団と、おばあちゃんの洋服や鞄。