「みーちゃん」


最寄り駅に着くと、改札口に見えた大好きな人の姿。

小さい身体で自転車を引きながら、迎えに来てくれた。

その姿が嬉しくて、私は荷物を抱えて駆け寄る。


「おばあちゃん、ただいま」

「おかえり」


太陽にも負けない優しい笑顔に、私もつられて笑う。


おばあちゃんの家に一人で泊まりに来たのは、いつぶりだろうか。

いつの間にか身長も体重も、おばあちゃんよりも大きくなって。

しわくちゃな手が、時を物語っている。


「みんな、元気?」

「うん、みんな相変わらず元気だよ」

「ほうか、最近暑くなってきたでねぇ」

「そうだね」


おばあちゃんの家に着くまでの間、近況報告を交わす。


「みーちゃん、今日は銭湯行こか?」

「いいね、行こ行こ!背中流しっこしよ」


私の言葉におばあちゃんは、"ありがとう"と嬉しそうに笑った。