社長に事情を説明し早退させてもらい、私は電車に飛び乗った。


平日の昼前の電車は、すごく空いていて。

一人になった瞬間、手が震え出した。


どうしよう。

まさか、死んだりしないよね。

だって、今日の朝普通に話したし。

きっとそんな大した事はなくて、今日だけ入院すれば大丈夫だよね。


誰も答えてくれない中で、何度も何度も"大丈夫"と自分に言い聞かせた。


病院までの道のりが、果てしなく遠くて。

もう少しで着くと妹にメールをしたけれど、返ってきた返事に胸騒ぎがひどくなる。



"急いで、もうダメかもしれない"



そのメールを見て、胸の奥がぎゅっと苦しくなって。

泣き出してしまいそうな気持ちを堪えて、私は病院まで走った。


入口で名前を言い、案内された緊急処置室。

震える手で、そっと扉を開けた。