「みーちゃん、おはよう」


翌朝。

洗面台で歯を磨く私に、おばあちゃんが優しく声をかける。


「おはよう」

「今日はちょっと寒いな」

「そうだね」


仕事に行く準備をして玄関で靴を履いていると、おばあちゃんとお母さんが見送りにきた。


「みーちゃん、いってらっしゃい」


おばあちゃんはにこにこと、私に笑いかける。


「いってきます」


私の姿が見えなくなるまで、ベランダから手を振るおばあちゃん。



いつもと、何一つ変わらない笑顔。

いつもと、何一つ変わらない優しさ。

いつもと、何一つ変わらない、そんな朝。



これが、おばあちゃんとの永遠の別れになるだなんて。

誰が予想していたというのだろうか。


ねぇ、おばあちゃん。

私はどんな顔で、最期の"いってきます"をしたのかな。