「ただいま」


家に帰ると、いつもと変わらない笑顔で出迎えてくれたおばあちゃん。


「おかえり」

「ご飯もう食べた?」

「まだ食べとらへんよ、みーちゃんと食べようかなと思って待っとったんだわ」

「じゃあ、一緒に食べよ」


この日はみんな出かけてて、二人きりでの夜ご飯だった。

いつもなら先に食べているのに、この日は私の帰りを待っててくれたんだ。


「お母さんみたいに上手に作れんけど、我慢してな」


おばあちゃんは"ごめんな"と、何度も謝っていた。


「みーちゃん見て、今日はかわいい格好しとるな」


テレビに映る女芸人を見て、私にそう笑いかけるおばあちゃん。


「うん」


私はそんなそっけない返事をして、ご飯が食べ終わるとすぐに自分の部屋へ向かった。



おばあちゃんと過ごす最期の夜になるだなんて、思っても見なかったんだ。