あれから、一年程が過ぎた頃。

軽い認知症から、一緒に住む事になったおばあちゃん。


あの時、絶対大事にしようって決めたのに。

少しずつ進んでいく認知症に、苛立ちが込み上げて。

優しくなれない日が、沢山出てきた。


「ねぇ、靴下どこにしまったの?」

「おかしいな、ちゃんとみーちゃんの部屋に置いたはずやけどなぁ…」


私と妹の物を、間違えてしまっただけなのに。


「これは私のだってば!」


色々な事を覚えられないおばあちゃんに、ムキになって怒る私。

その度におばあちゃんは、"ごめんな"と何度も謝った。


そんなに文句を言うなら、自分でしまえばいいのに。

ごめんねって言葉に、どうして"いいよ、気にしないで"って言えないのか。


時が経った今なら、そう思うのだけれど。


積み重なる毎日の中で、どうしても優しくなれない自分がいたんだ。