踏み切りで立ち止まる私と和希


よく分からない微妙な距離を保ってる


今の私達の距離って、こんな感じなのかな...



遠いね、

手を伸ばせば届く距離なのに、自信がなくてちゃんと腕を伸ばせない私には、遠いよ



「もう、先に行っていいよ」


電車が通り過ぎて人が行き交う中、そう呟いた



「ここで、私を置いて行ってよ

そしたら卒業した事にしてあげる」


「俺...ごめん」


「私こそごめんね、

ちゃんと、幸せになってね」


ねぇ、和希、幸せになってね


私、きっと、まだまだずっと貴方を好きでいるけど、ちゃんと幸せを願ってるから



「今までありがとう」

和希は私をまっすぐ見て、そう言った



あぁ、もう、終わりなんだな...

そう思った



「サヨナラ」


最後の強がりは、あっさりと言えるほどの短くて儚い言葉だった