明るい声がして俯いてた顔を上げる。

視線に入ったのは、満面の笑みで両手に木の器を持った…ジョセフさん。

「おいおい、また俯いてたのか。
ほら、これでも食って元気出せよ」

木の器を差し出しながらそう言うジョセフさんに私は「ありがとうございます」と言って器を受けとる。

器の中には、白いスープに野菜が入った素朴な料理。
恐らく、庶民が日頃から食べているものだろう。

―――なんでだろう。

―――なんでこの人は、私を匿ったのだろうか、、。


ダメだ…考えれば考えるだけ……

なにも分からなくなってしまう……。

「どうしたんだ?食べないのか?」

はっ、と我に返り彼の顔を見る。

「………。」

なんで、、なんでそんなに心配そうな顔をするの…?
私は……赤の他人同然なのに……。

「さっさと食べねえと冷めるぜ」


確かにそうだ…。
私の分まで作ってくれて、冷めたら悪い気はしてしまう。
でも………

―――それでも、私は…!