said ジョセフ

ホント、、俺はなにをやってるんだか…。

隣のフェルマ村の鍛冶屋の旦那に用があり、ここ、スールズ村に戻ってきたものの。

机に座ってみるなりやはり違和感がある……

―――今、俺の目の前には……


―――可憐な美少女が居るんだから……。



戻ってきたとこ、彼女には手形が無かったらしく、門番と交渉をしてたとこを俺が匿った…
という感じで彼女は今俺の目の前に居るのだが……。


名前が全く分からねえ……!!

「えーと…狭い部屋でごめんな。
それに…ちょっと散らかってるし」

先ずはそう切り出して見るものの。
目の前に座っている彼女は周りを見るだけ。

―――扱い方が、全く分かないんだよな…

「俺はここのスールズ村に住んでるジョセフってんだけど……
君の名前は?」

そう俺なりに頑張って聞いてみたが、彼女は俯いてしまう。
やはり……これじゃダメか。

どおしたもんかな。。
仕事ならいくらでも話せるんだけど、、
プライベートで…しかも美少女と話すことなんて余り無いからな……。

「…まあ、いいや。
なんか飯でも作って……」

「……リオネと言います」


ん!?今さっきこの娘(こ)…

―――リオネって、言ったよな?

「私はリオネと言います。
先程は助けていただき、ありがとうございます」


「………っ!」

驚いた…。


俺の家に来てから半日の間…
なにも言わず黙っていた娘が

―――喋った!

それになにより…御礼を言うだけの礼儀は持ち合わせているようだし。

「気にするなって!困ってたから助けただけのことさ
じゃあ、なんか作ってくるぜ!」

そういって俺は台所に向かい、飯を作ることにした。
この先、とんでもないことに巻き込まれるとも知らずに……。