………
……ガタン…ガタン
(…んー、ん…まぶ、しい…?)
頭の上にある窓から
微かに光が差している
(……そっか、朝か…学校いかなくちゃ…
)
めんどくさい。と内心思いながら
よっこらせっとまぶたをこすりながら
上半身を上げてみると
初めて気づいた
「ここ…どこ……?」
小さく呟いた
そこはいつもベッドから見る景色とは全然違っていて
周りをきょろきょろ見渡してみると
部屋にあるはずの
机も化粧台もテレビも全部ない
あるのは自分が座っている
深くて淡い小豆色の長椅子だけ
(…昨日の記憶が思い出せない……)
部屋の大きさも全然違っていた
友人が7人程入っても
余裕がある部屋だったのに
今はどうだろう
2人…頑張っても3人寝っ転がるのが
精一杯であろう部屋
「部屋って言うか……
…電車………??」
ガタンゴトンと不規則に鳴る音と
心地いい揺れ
(私、電車になんて乗ったかな…
それにしても、なんとレトロな…)
座っている長椅子はふかふかだけど
少しだけギシギシときしむ音がする
部屋は個室で
出入り口は木のドアで出来ている
「とりあえず…出てみるか!」
迷った時は即行動
これが私のモットーなのである
はぁ、ふーっと
上も横も手が届きそうな部屋の中で
深呼吸をして
ドアノブに手をかけたその時
コン…コン
ドアの向こう側からノックの音がした