私には家族がいる。

但し、血は繋がっていない。

本当の親にあったことはない。

私自身会いたいと強く思っている。

私が産まれる前、親は私宛に手紙を書いたそうだ。

その手紙の内容は、どうでもいいことばかり書いていた。

早く会いたいだとか、
いっぱい遊んでやるだとか、
好き嫌いはできるだけつくらないでだとか、そういうのだ。

最後の一文。

「事情があって、産まれてすぐには会えないだろう。
お前が16歳になる年誕生日にお母さんと君の住む家に行く。
16年間、楽しみに待ってなさい。」

そう残して、私を親の友人宅に預けたそうだ。