私がまだまだ可愛い、高校生の頃、
地元のショッピングモールの中にある某有名ドーナツショップに4ヶ月の間お世話になりました。


その当時、私は学校のある平日は夜メインで入っていたので、学生同士わちゃわちゃとアルバイトライフを楽しんでいました。


休日は朝から、夜までのびっしり8h勤務。


その休日に、オープンから16時まで出没するモンパーの存在に私は気づいてしまうのです。


type1
『ルールはわたし』



割と要領を掴むのは得意で周りからも、習得が早いね!
接客力は元々持ってる天性のものだね!

と、お誉めの言葉を頂け、
私自身もそんな風に言われるならもっと頑張っちゃお〜♬
な、能天気な私。



いつものようにドーナツを包み、お客様に満面の笑みで対応し終わった私に、
モンパー(孵化前)が忍び寄っていた。


『ちょっといい?(私)さん。
今あなたに私コーヒーを入れてって指示を出したわよね?
なんであなたレジに入ってるの?』


そのモンパー(孵化前)の言う通り、
私は頼まれたコーヒーもつくり、お客様の元へ届け、
更にはおかわりの為の巡回もまわった後、丁度カウンターに戻ったタイミングで
お客様が見えた。
と、いう場面だった。


(私)『はい、コーヒーも作り、お客様にも届け、おかわりの巡回も回りました!丁度カウンターに戻ったタイミングでお客様が見えた為、レジ対応しました!』

モンパ『は?私がいつレジに入れ?って言った?』



モンパー(孵化前)はモンパー(level1)になった。



その日のスタッフは全員で4人。


私以外のスタッフはみんな洗い物やドーナツ補充など他業務に追われていた。

その場にいる丁度手の空いた私がやればいいではないか。



そんな気持ちでいっぱいになり、腑に落ちないながらもまだまだひよっこな高校生の私は言い返す言葉もなく、ただ
『すみません‥』としか言えなかった。



その日をきっかけにモンパー(level1)は暴れ出した。



丁度福袋の販売時期だったその頃、私は呼び込み担当をその日任され、店長からも元気いっぱい頑張ってね!♬とメガホンを渡された。


声を出すことには何の抵抗もないし、張り切ってやるぞー!!
と、気合満々の私は午前中3時間ひたすら客を呼び込んだ。


来るわ売れるわの大賑わいで私自身もテンションが上がっていたその時、モンパー(level1)は血相を変え現れた。



モンパー『あなたね!うるさいだけなのよ!』
(私)『はい?!でもこんなにお客さんもいるし、声張らないと遠くの人まで聞こえないですよ?』

モンパー『近くにいるお客様のことも考えなさいよ!』



高校生の私にだってわかる。
メガホン使ってる上、大きい声を出せば、その場にいるお客様に迷惑。
なので私は歩き回り、並んでいるお客様の側を離れ、遠くを歩く人達めがけて呼び込んでいた。


(私)『なので私は遠く離れたところで呼び込みを行なっていたんですけど‥』

(モンパー)『は?私の言うことに文句言うわけ?』



その日、福袋の売り上げは初日にして完売になった!

店長にもよく頑張ってくれた!と握手を交わされた。
そんな私に近づきモンパーは放つ。


『アンタの呼び込みの結果とか、そんな勘違いしないでね。』










ドーナツの包み方、
コーヒーカップの向き、
接客の笑顔が過剰、
声がデカイ、


私以外の人が同じ事を行っても注意されない、
むしろ
◯◯ちゃんはいつもほんとに頑張ってるね〜♬大好き♡
と、あからさまな態度。


職場の先輩に相談をしても、
あの人はいつもあんな感じだから〜

店長にいたっては、
あの人僕より先輩なんだよね、だからあんまり強く言えないんだよ〜、
まぁ、何かもっと酷いことされたら言って?
の、始末。




高校生の頃の私はまだまだひよっこメンタルの為
日々モンパーに対してのストレス。
そして、バイトに行きたくない病が発令された。


そんな時の神頼み(私にとっての)が、
実の母親だった。


私の異変にも気づいてくれた母親。
私は涙ながらに全部を打ち明けた。




すると母親は行くよ!と言い、
私のバイトの制服を持ち、私を連れ、
バイト先へ向かった。




裏口から入り、
まず店長と休憩中のスタッフが事務所にいた。

(母)『いつも娘が大変お世話になっております。早速ですが(モンパー)呼んで頂けます?』

突然の母親の登場に、店長もスタッフも時が止まる。

(店長)『ど、ど、どうされました??』

(母)『どうされたもこうされたもないでしょ?
さっさと呼んで、』





その後、母の前にモンパーが現れ、
母の怒濤の怒りがぶつけられた。

効果は絶大だ!



モンパーは泣き出した。




『お嬢様は大変仕事の出来がよく、私ども、全員が期待を寄せておりました。
なのでもっともっと成長して頂きたく、厳しく指導しておりました。』


モンパーの悪あがき!


(母)『あんたがやってきたことは、平等な指導でもなんでもない。ただのイジメや!!!』


悪あがきは悪あがきに終わった。


ここで一つ。
私の母親は関西人です。






結末。

某有名ドーナツショップのモンパーはその後、本人からの申し出により
退職をした。


いざ、蓋をあけると、
彼女が原因で辞めていく人がほとんどだった現状がそこにはあった。

しかし周りのスタッフも自分がモンパーの標的になることを避け、当たり障りなく、見て見ぬフリをして過ごしてきたのだという。





私も母親と出向いたあの日、
退職をした。


私自身もまだまだ未熟で、
母親のおかげで救われた、



初めてのモンパーとの出会いだった。