「おい、まじかよ。」
なんだよ。
「あれってもしかして、この街で噂の…」
ジロジロ見てくんな。
「あたしの顔に何か付いてる?」
ズイっと顔を出して自分より低い男子に声をかけた後ずさりしてカバンでガードされる。
「き、綺麗なお顔をしてますはい!失礼します!」
その男子は走って校舎に入っていった。
「はぁ…、あたしはライオンかっての。」
あんな風に怖がられるのも仕方ない。だってあたしは、〝殺戮を秘めた女〟と呼ばれているから。
別に自分が好きでこんな呼び方を決めたわけではない。じゃあどうして他人からこんな風に呼ばれているのか、それは長い長い話になる。