「可愛いー」 この言葉を言い続ける女子に囲まれ、 やっと喋った璃久は、 「煩い。 兄ちゃんも阿呆ならツレも阿呆やな」 顔には似合わない低い声に、 キツイ言葉に……関西弁? さっきまでキャーキャー言ってた女子は、 一瞬にして固まった。 「神楽の弟、生意気」 次に出た言葉は、 今まで放置されていた兄に向けられた。 だけど、あたしは違うくて。 まさに運命の人! それ以外なかった。 可愛い顔に生意気な口調。 あたしの好きなタイプそのものだったんだもん! しかも関西弁ときた。