「……やっぱ、いいわ」 ポソッと言った璃久は、 また前を向き歩き始めると同時に あたしの手を握った。 え。 え。 えええええ!? その場の状況を理解出来なくて 周りからは引っ張られて歩いてるように見えると思う。 思う、じゃなくて実際そうなんだけど。 いや、でも、だって! 璃久が、あたしの手を繋いで歩いてるんだよ!? そんなの……夢? そう思って何度も見るも、 手はちゃんと繋いでて。 あたしの手に繋がる、 もう一本の手は……璃久。 これは夢じゃない。 現実。