「てか離せや」

「嫌ー」



さっきから、

ずっと腕を外そうとする璃久と、
それを阻止するあたし。



あたしが狙ってる言葉は、


ただひとつ。



「はぁ」



わざとらしく大きな溜息を吐いた璃久から出る言葉。



「好きにせぇや」



これ!



「うん! 好きにするっ!」




満面の笑みで微笑んだあたしから
目を逸らした璃久は、

自分のペースで歩き出してしまった。


それに必死について行くあたし、
大石 梢(オオイシ コズエ)高3。



このツレない男の子、
神楽 璃久(カグラ リク)
に恋して早3ヶ月が経った。