パッと下を向き、



「ほ、ほらっ。
言ってた、あたしの事を好きになった男の子!!」



言わなくても良い事を、今言って。


あたしは本当にバカなんじゃん。

咄嗟に一樹を見つめ、目で訴える。


“話を合わせて”って。



「あ、あぁ。こ、これが言ってた彼氏?」

「う、うん! 偶然に会って驚いちゃった。
璃久も居たんだ。
気付かなかったなー」



猿芝居。


まさにこの言葉がピッタリで。


文化祭の劇よりも下手過ぎて、
恥ずかしさを通り過ぎてしまう。