「お疲れ様♪」



それでもメゲずに、
にっこりと笑う。


それに返事がないのなんて、

いつもの事。



「一緒に帰ろっ」



そう言いながら、
璃久の腕に手を絡めた。



「……家、逆方向やから」



冷たく言う璃久は
絡めた腕を手で外そうとする。


もっと強い力でギューっと握るあたし。



「いーじゃん、いーじゃん。
送って行くからっ」

「や、それも普通は男のセリフやん」

「なら、璃久が言ってよー」

「……勝手に一人で帰れや」

「つ、冷たいっ!」



ここは、璃久の通う塾の前。



一週間のうちほとんどを塾へ通う璃久の事を
待ち伏せしているあたしに


璃久は毎日冷たい。