「雷鳴ってるし、コレ」



そう差し出されたのは透明のビニール傘。



「え？　貸してくれんの？」



突然の事に驚きながらも、
語尾がどうしても上がってしまう。



「……やる」

「へ？」

「貸すんじゃなくて、やる」



グィと押すように渡された傘。



「貸してもらうだけでいーよ？」

「どうせビニール傘やし」

「そか」



ちょっと残念。

貸して貰ったなら、
また返しに来れたのに。



あ、いっか。



勝手に返しに来ちゃえば♪