受験生で、
しかも超難関といわれる天才高校志望の璃久に、



遊ぶ暇なんてない。



だけど少しでいいから会いたくて。

塾の帰り道だけは思いっきり我儘を通してみている。


たったコレだけでも、
あたしは物凄く幸せ。



でもね。



「璃久!」



家に入ろうとする璃久を呼び止め、



「明日も……行ってもいー?」



ほんの少しの不安を埋めたくなる。



「どうせアカンっても来るんやろ」

「うんっ!」



満面の笑みと大きく振った手。

あたし、やっぱり幸せだー。