ざわざわざわ……

入口付近の草がゆれる。

ここの周りは奥に川。

左右は同じく荒れた空き地。

めったに人が寄り付かない場所。

とても静かで、思わず眠気がする。




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「……ん」

「……ちゃん」

誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。

「おじょうちゃん!」

ハッ…と目を覚ます。

つい、寝てしまったみたいだ。

時間はまだ7時15分。

よかった間に合う…


「起こしてくれて、ありがとうございます」

「いえいえ、風邪引かないようにね」