青の、果実。


向かいの家なのに
必ずドアまで光太郎は送ってくれる。






「光太郎、わたし、ごめんね…。」




光太郎は何も言わずに
わたしに近付いて



そっと、おでこにキスをした…。




「光太郎…?」




急な事すぎて、わたしが唖然としていると
光太郎はわたしの目を見る事もなく




ごめんな。ちょっと一人にさせて。



と、わたしの耳元で囁いて歩いて行ってしまった。

そんな彼に声を掛けれる訳もなく
ただ、後ろ姿を見つめるだけだった。



光太郎のキスの理由もわからずに。