青の、果実。


「俺は、昔からお前が言ってくれた
言葉をずっと覚えてんだ。

マコは覚えてないかもしんねぇけど。

サッカーしてる光太郎が好きだ、
サッカーしてる光太郎は一番かっこいいって。」




あ…。

わたしは小学校の時
光太郎がサッカーの試合で負けてベソをかいているのを見て

確かそんな言葉をかけてあげた気がする。


やんわりとあの頃の思い出が蘇る。




「うん、言ったね。
だって本当の事だから。」



「俺はその言葉がめちゃくちゃ嬉しくてさ。
今でもサッカー続けてんのは
マコが好きだって言ってくれたからなんだよ。
勝手かもしんねぇけどさ。

負けた日には笑って慰めてくれるし
勝った日には、その倍笑って喜んでくれるんだ。
お前が。」




下を俯きながら話す光太郎を見ては

進路の話をしてしまった事に
かなり後悔をした。



いつもわたしの悪口しか言ってこないくせに
こんな風に思ってくれていたなんて。