青の、果実。


光太郎も真剣な表情をして腕を組んで
何かを考えているようで、

わたしの心臓はばくばくだった。





「まさか、
幡山渚に何か言われたのか?

一緒に向こうの大学に行こうとかなんとか。」




わたしは首を横に振った。





「ううん、そんなことはないよ。
けど幡山くんは、ただわたしの可能性を広げてくれただけだよ。」



つい、今日の事を思い出すと
自然と心があったかくなって笑顔になれた。





そんなわたしを見て光太郎はため息をついて
口を開いた。



「俺はさ…。」