「さおりさんも心配してるの。 お金の事があってわがまま言わないんじゃないかって。 本当は上京してサッカーやりたいんじゃないかって。」 「そんな事ねぇよ、 前にも言ったろ?俺はこの町が好きだって。 それにマコも残るんだろ? だったら俺はここに居たいんだ。」 その言葉を聞いて わたしはぎゅぅっと缶ジュースを握った。 「その事なんだけどね、 わたし、大学に行きたいって思ったの。」 光太郎が何て言うか不安で 隣を見れなかった。 ただ、体にあたる風が冷たくて。