青の、果実。


なんて、ぶつぶつ心の中で唱えながら
とぼとぼと歩いている時だった。

目の前にスラッとした背中の
幡山くんが駄菓子屋さんの玄関から
丁度出てくる所だった。





「あ!幡山くん!」


わたしは嬉しくなって思わず声を掛ける。



「おー、黒川おはよう。」



向こうから幡山くんが手を振っていてくれて
わたしはパタパタと駆け寄った。



「おはよう!丁度良かった!
暇だから一緒に学校行こうよ。」


「暇だからってなんだよ、
もしかして幼馴染くんと喧嘩でもしたの?」



丁度歩き始めた頃に幡山くんにそんな事を言われて
ついわたしは顔に出してしまう。




「やっぱり。昨日自転車で帰るとき、
井草とたまたますれ違ったから。
見られてたかな〜って思って。」



なんだか幡山くんは楽しそう。