わたしは隣のクラスの女子達が きゃっきゃと幡山くんに群がり 声を掛けていたのは何度も目にしている。 でも彼は表情一つ変えずに、 淡々と次から次へ飛んでくる質問に 答えていくのだ。 この学校で浮いている気がするのは 髪の色だけじゃないと思う。 誰よりも妙に大人びている雰囲気が、 彼をそうさせている。 光太郎は、きっとそんな彼が羨ましいのかもしれない。 わたしが、そうだから。