「うち、本当は気付かないふりしてた...
何度やられても、気のせいだ、気のせいだって。」
遠野は体を震わせながらも
泣くのを我慢しているようで、必死に唇を
噛みしめていた。
ついこの間、遠野に
「つよいな。」
と言ってしまった自分に嫌気がさす。
「嫌われてるって思いたくなくて、
ずっと怖かった。
いつか本当に独りぼっちになっちゃうんじゃないかって。
だけどやっぱり...
気のせいなんかじゃなかった。
ずっと逃げてたけど、現実はコレかって...。」
遠野が触れているロッカーには
ローファーが無かった。
「お前まさか、ないのか?」
「これで変えるの4足目。」
泣きながら彼女は笑っていた。


