「ちゃんと飯食ってるのか?」
「ぼちぼち」
「ちょっと一服してしてきたらどうだ。」
「そんな暇ありません」
「暇を作れ。これは課長命令だ」
「は?」
課長の休めと言う言葉を
最初は拒みつつも、
頑として動かない姿を見た荻野さんは
渋々、席を立った。
「1時間は戻らなくていいぞー」
「ふざけないでください」
軽口を叩きながらも
課長はホッとしたような顔をしながら
荻野さんの後ろ姿を見ていた。
その姿を見て
わたしもホッとした。
タバコを吸うだけでもいい。
コーヒーを飲むだけでもいい。
仕事から離れて
少しでも休んで欲しかった。
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