『荻野さんと課長は 知り合いなんですか?』 「昔、祖父の部下だった人」 『え!そうなんですか?』 「親に見捨てられて、祖父母も死んで、 生きる意味を見失ってた俺に 手を差し伸べてくれた人」 淡々と話す姿が、なんだか痛々しくて 見ていられなかった。 『荻野さん……』 近付いて、触れようとした瞬間、 「出てってくれないか」 鋭い言葉が突き刺さった。 *