「本当に、ごめん」

『いえ……』

「ごめん、どうかしてた……」


しんどそうに辛そうに話す荻野さんに
どう声をかけていいのかわからず、
ただ頭を下げてその場を去った。


『ふ、ぅ』


そのままフロアに戻れば
きっとわたしが平静でいられないと思い、
更衣室に逃げ込んだ。

(なに今の。)
(抱きしめられた?なんで?)

キツい言葉を向けられたり
目線を外されたり
避けられてるように思っていたのに……


『なんで……あんなこと……』


まだわたしは、あなたの中で
特別な存在でいられていますか?