荻野さんとのことがあってから しばらく経った日、 珍しいというか 初めて見る場面に遭遇した。 「どうした、荻野。 こんな初歩的なミスするなんて お前らしくない」 「申し訳ありません」 「まぁ、大事には至らなかったし 後処理できてるし 問題はないんだがなぁ……」 フロアから少し離れた喫煙スペースで 課長と荻野さんが話していた。 その奥の部屋の前にいたわたしは 出ていくタイミングを失い 陰で話を聞くことになってしまった。 *