「'俺といることが
春佳を苦しめてるなら……
嫌とは言えない'」

『苦しいわけじゃないです……
でも、一緒にいるべきじゃないと
思うんです……』

「'春佳に会いたい'」

『……』

「'最近、あんまり会えなかったのは
これのせい?'」

『ごめんなさい……』

「'謝らなくていいよ。
春佳が悪いんじゃないから。'」


どこまでも優しい彼。


「'会いたいなぁ……
会いたいけど、会ってなくてよかった'」


乾いた笑い声を出す荻野さん。

わたしなんかが泣く資格ないのに
荻野さんの声を聞くと
どうしても涙がでてしまう。