「そっか……よかった」 『すいません…… わたし、態度に出てましたか? 荻野さんがあのときのこと 覚えてるなんて思わなかったです』 「いや……別に。たまたま?」 『そうですか……』 「じゃ、帰るわ。ゆっくり休めよ」 『え、あ、……はい、 ありがとうございました! 帰り、気を付けてくださいね』 「おう」 少しだけ荻野さんの後ろ姿を見送ってから アパートに入った。 *