『ごめんなさい……
やっぱり無理です……』


夜になるとまだ少し冷たい風が
身体にささる5月。
わたしと彼の関係が終わった。

本当に身勝手で自分のことしか
考えていないわたしに彼は、


「'俺といることが
春佳を苦しめてるなら……
嫌とは言えない'」


と、優しい声で言った。


電話越しだったから、
どんな顔をしていたかはわからないけど……
きっと傷つけたと思う。

彼が、明るい声で話してくれているのに、
わたしは、ただ、ごめんなさいと
謝ることしか出来なかった。