新は、いつもとても速かった。
私なんかじゃ、とても追いつけない。
私は、足がとても遅いので、毎日練習は
していた。でも、二、三秒しか、
速くなれず、とても無理だった。
新は、そんなの知らないから、いつも、
「少しは速くなったんじゃね?」
とか言ってくれる。過去を思い出しながら
新の番を待つ。そして、
新の順番になった。あ、来た。でも
渡す人がかなり、抜かされてる。
これじゃ・・・一位になれない。
そう思っているときに、目が合った。
ニコッと笑い、バトンを渡された瞬間、
走り始めた。やっぱり速い。
他の人も追い抜いてってる。
本当に、目に焼き付けられた。
少し、ドキドキする。本当にうるさい。