平助は、布団を僕の部屋に敷いて、この子の顔に付いた血を拭いて
 藤「じゃあ、後、よろしく」
 そう言い残して僕の部屋を出ていった。
 何で僕がこんなことしなくちゃいけないんだろう?  
 しかも、この子、本当に男?
 子どもだから、分かんないだけ?
 女の子に見えるけどなぁ
 まあ、あの動きで、女の子な訳ないか 
 『...お....か....あ....さ...ん..』
 ん?誰の声?
 『...お...と..う...さ...ん..』
 この子の声?まあ、それもそうか。僕と、この子以外いないし...
 『...ね...え...おね...がい...や..だ...』
 泣いている。どんな夢を見ているんだろう?
 『..わた..し....を...ひと..り...に...し..な....い...で...』
 私!? 女の子だったんだ。この子、何があったのかな?
 きっと、何か、辛いことが
 1人にしないでってことは、親が死んだのか、それとも、親に捨てられた
 のか。どっちだろう?
 何者なのかは、わからないけど悪い子じゃない気がする。
 自分が傷付いてまで、他人を助けたんだから。