※主人公のセリフを『』にします。

 





 僕は、焦ってはいけない、焦ってはいけない、と
  必死で自分を落ち着けようとしていた。 

 まず、今の状況を整理して...と、とにかく落ち着こう。と、
そんなことを思っていた時だった。

 女性が必死に謝るような声と小さな子どもが泣き叫ぶ声、
それに加え、男性が怒っているような声が聞こえてきた。
気になって声のした方を見てみると、
 
   「どこを見ているんだ‼ちゃんと道を開けろ‼」
 と、さっきの人と似た格好をした男性が叫んでいる。その正面では、
 泣き叫ぶ小さな男の子と、その男の子を膝をつきながら抱いている
 男の子の母親に見える女性が必死に謝っている。
   「すみません!すみません!どうかどうかお許しください!
    命だけはお助けください!すみません!すみません!」
 と、母親が言うと
   「うっうっ、ごめんなざ~い!ごめんなざ~い。」
 と、男の子も謝っている。
 ここまでしてるんだしあの男性も許してあげるよね?
 と、考えていたがその男性は、刀を抜き男の子たちに向け高く振りかぶった。

  見ていられなくなり僕は、思わず飛び出した。そして二人と、男性の間に
 入った。その瞬間刀が降り下ろされる。少し後ろに下がったせいか顔が
 斬れる。
    『痛っっ!あぁぁぁ‼』
 眉の辺りから頬の辺りまでの目元を斬られた。痛いのもあったがそれより
 も怒りが込み上げてきた。持っていた竹刀を取り出し男性に向ける。