『幼い頃から、私は
お月様と話すのが好きだった』
『お月様を見ると
恋しくて堪らなくなった』
『だけど、本当は
お月様じゃなくて、輝夜のことが
恋しかったのかもしれない』
「たとえ住む世界が違っても
流れる時間が違っても
俺には、愛舞しかいない…」
『輝夜…ありがとう』
『輝夜が、好きだよ』
「愛舞…」
輝夜の唇が
そっと私の唇に触れた。
『好き…』
「俺も…」
好き…好き…好き…
何度もくり返される、キス。
顔の輪郭に沿って
優しく両手を添え
長い長いキスをする輝夜。
もう、何もいらない。
これ以上、何も望まない。
ただ、一秒でも長く
輝夜と居たい。
「愛舞は…俺のだ」
『うん…』
私達は、手を繋いだまま
一緒に眠った。