『妖精達は
輝夜が連れて来たの?』


「ううん、フェアリー達は
自分の意思でここへ来たんだ」

「魔法を使って
時空の違う世界を
自由に行き来してるんだ」


『……魔法!?』


「そうだよ」

「フェアリーは
真実の愛を探して
旅をしてると言われてる」


『真実の…愛!?』


「うん!」

「愛舞は今、ドキドキしてるだろ?」


『…な!?何で分かるの!?』


「すぐ顔に出るから!」


『いやー!!もう!意地悪!』


「あははは!
愛舞は、俺のことが好き?」


『え、えっ!?
と、と、と、と、突然!ど、ど!?』


「あははは!」

「俺は、愛舞が好きだ
誰にも負けない」


『……え!?…あ…あ…あの
ありがとうございます!?』


「あははは!敬語?」

「愛舞は、俺のだからな!」


『…お!?俺…俺のって…!?』




そんな私達の周りでは

フェアリー達が嬉しそうに
舞い踊っていた。


小さな小さな鈴の音のような
透明感のある羽音

羽ばたくたびに舞い散る
色とりどりの光の粒は

鱗粉なのかな。


輝夜が纏っていた光の粒と
同じだ。



『フェアリー達、何だか嬉しそう』


「そうだね
愛舞のことが好きなんだよ」

「フェアリーは
誰にでも見えるわけじゃないんだよ」


『そうなの!?
私には見える!嬉しいっ!』


「うん!俺達の暮らす世界で
フェアリーは大切な役割を
果たしてくれてる」


「大切な存在なんだ」