私がベッドに座ると
輝夜はベッドから少し離れて
向かい合わせに座った。


どうしてなんだろ…

昨日、逢ったばかりなのに
一緒に居て心地良い。


それでいて、何故か

失ってしまいそうな不安が
心を支配する。



『私が眠ってしまっても
輝夜は…居なくならない?』


「突然どうした?」

「当たり前だろ?」



『……良かった…』



「子供は眠くなると
甘えたくなるんだよな」


『…こど?!…子供じゃない!!』


「あははは!」


輝夜の笑い声が
私を安心させてくれる。


『輝夜は、妖精なの?』


「俺は精霊」


『…精霊?』


「そうだよ、月の精霊」



精霊って……


『……幽霊みたいな?』


「こらこら、俺は生きてる!
幽霊とは違うよ」


『はあー!良かった!!』


「あははは!」


輝夜の笑い声が、好き。


「俺達、月の精霊は
月の光に希望の光を
ブレンドしているんだ!」


『……希望の…光!?』


「そうだよ」


まるで、おとぎ話。


なのに何故か、懐かしい。


どうしてなんだろ?


『……輝夜…私…
何故か……懐かしいの…』

『子供の頃に読んだ
おとぎ話みたいだからかな?』



「……愛舞」


輝夜はそっと
私の頭を撫でてくれた。