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私の、お気に入りの曲?



アラームだ。




…まだ眠い……もう…朝?





『…はっ!!』




綺麗な人は?




居た!


まだ…眠ってる。




夢じゃなかったんだ。





みんなが出かけるまで
クローゼットに
隠れてもらおう。


お昼ご飯は
おにぎりを作ろうかな。


おトイレの場所も
教えなくちゃ。





『……あの……起きて下さい…』





「………んー?」


『私、学校に行かなくちゃ』



「ああ…行ってらっしゃい…」



彼は眠そうに答えた。



『お母さん達に見つからないように
クローゼットに隠れて欲しいんです』



「クローゼット?」

「うん…上手くやるよ」



『うん』

『お昼はおにぎりでいいですか?』

『おトイレは
廊下を左に曲がった角です』



『それから……』

「……愛舞」


彼が、私の話を遮った。



「愛舞、心配いらないよ」

「愛舞を見送ったら
俺も出掛けるから」




『……出掛ける?』



「うん」



そう言って上半身を起こし
手招きをした。



「おいで、愛舞」



『……えっ?』



私は言われた通り、側に行き
彼の前にペタンと座った。



「初めての、おはようだね」


『あ…あ…お…おはようございます』



彼は、片手で私を引き寄せると


「行ってらっしゃい」


と言って、送り出してくれた。



『はい、行って来ます!』




……あっ!!


『そうだ!名前を教えて下さい?』



「輝夜だよ」


『かぐや、さん?』



「さんはいらない!」

「敬語もいらないよ」



『……か、輝夜』


「うん!」